8月初めの金曜日、日中の暑さも和らぐ夜19時からスタートしました。
様々な世代の6名が集まり、今回のテーマに沿った
“人へ見せる・見せられない境界” にある自身の作品実物を持参いただきました。
今回のテーマを設定した理由。
この境界線は各々のデザイナーのデザインへのこだわりが際立って見え隠れする
ポイントだということ、そして、他人とディスカッションすることで
自分の思い込みに気づいたり、別の可能性が広がる事が目的でした。
挨拶もそこそこに順番に発表。最初は少々緊張しながらも
作品を手にして話を進めていくと続々と気になるワードが出てきます。
「思いが叶わず結局言いなりになってしまった」
「詰め込んだ仕上がりになってしまった」
「相手の強いこだわりに振り回された」「やり直す回数ではなく思いが重要」などなど。
テーマがテーマなだけに自虐的な紹介に時折笑いも起こるなか
思いや疑問など、なごやかにディスカッションは進みます。
やはりデザイナーの苦悩は作り出す過程にあり、感情をコントロールしつつ
よりよくしたい思いで渾身の案が生み出される。
その過程が円滑か否かでは、当然仕上がりへの思い入れは変わる。
プロジェクトをチームで取組む場合は、デザイナーの役割を果たしつつ
自身でつくり上げた手応えの物足りなさを感じる事から
自主制作への取組みについても議論に。
名刺、ロゴ、広告、カタログ、パッケージ、WEBなど様々な媒体が並び
普段の仕事上でのそれぞれの役割や立場、仕事の進め方も垣間見れた機会でした。
10名のプレゼン&ディスカッションはあっという間に時間が流れ
21時からは場所を移し、飲食を共にしながら深夜までディスカッションは続きます。
村山氏の「自分の見せる・見せられない作品が、ディスカッションをしている間に
逆の境界になる事があった」という言葉が今回のテーマを集約いただいたと思います。
JAGDAの活動自体に参加することが初めてだった方も
積極的に楽しんでディスカッションをしていた姿が印象的でした。
- report:増永明子